経営業務の管理責任者について~5~【経験期間の証明とその他】
2017.04.24更新
- 長かった【経営業務の管理責任者について】もついに最終回です。
前回の続き(前回の記事参照)の④執行役員等の経験があるケースから解説していきます!
④執行役員等の経験があるケース
このケースで証明する場合、経験を証明する書類を用意することが難しいため、管轄行政庁に事前相談をすることをおすすめします。
事前相談を受けた場合でも、審査にあたって別途確認書類を求められる可能性も高いので、是非行政書士に相談ください。
執行役員が経営業務の管理責任者になる要件
建設業の許可を受けようとする業種の経営業務の執行に関して、取締役会の決議を経て取締役会又は代表取締役から具体的な権限委譲を受け、かつ、その権限に基づき、執行役員等として5年以上建設業の経営業務を総合的に管理した経験があること(申請する業種以外の執行役員経験は、認められませんので要注意!)。
経験を証明する書類
では、執行役員の経験を証明する確認書類の例をみていきましょう。
基本的には下記ア~オの書類で執行役員の経験を証明します。
ア. 経験会社において執行役員に選任されたことを確認するための書類(取締役会議事録等)
イ. 執行役員等の地位が業務を執行する社員、取締役又は執行役に次ぐ職制上の地位にあることを確認するための書類(法人組織図等)
ウ. 業務執行を行う特定の事業部門が許可を受けようとする業種に関する事業部門であることを確認するための書類(業務分掌規程等)
エ. その他確認書類(定款、執行役員規程、執行役員職務分掌規程、取締役会規則、取締役就業規程、人事発令書その他これらに準ずる書類など)
オ. 業務執行を行う事業部門における業務執行実績を確認するための書類(稟議書等)
上記の他、通常の経営経験の証明と同様に建設業許可通知書の写しや工事請負契約書の写し等が必要です。
⑤経営を補佐してきた経験があるケース
補佐経験で経営業務の管理責任者になるためには、「6年以上の補佐経験」が必要です。
「補佐経験」とは、許可を受けようとする建設業に関する建設工事の施工に必要とされる資金の調達、技術者及び技能者の配置、下請業者との契約の締結等の経営業務すべてにわたって従事したと認められる経験と定義されます。
また、許可を受けようとする業種の経営業務を補佐した経験と許可を受けようとする業種またはそれ以外の建設業における経営業務の管理責任者としての経験があわせて6年以上ある場合も認められます。
経験を証明する書類
補佐経験を証明する確認書類については、管轄行政庁に事前相談をすることをおすすめします。事前相談を受けた場合でも、審査にあたって別途確認書類を求められる可能性も高いので、是非行政書士に相談ください。
確認書類のポイントとしては、地位を証明する組織図や補佐した実績がわかる書類、当該補佐経験期間中、直接雇用されていたことがわかる書類などが必要となります。
その他の論点
♦経営業務の管理責任者と専任技術者は兼務できる?
→兼務可能です。ただし、同一の営業所(主たる営業所)内に限って専任技術者を兼ねることができるものとしています。
♦経営業務の管理責任者は業種毎に必要か?
→必要ありません。要件を満たせば、一人で複数業種の経営業務の管理責任者になることができます。
♦経営業務の管理責任者は出向者でも大丈夫?
→経営業務の管理責任者は出向契約に基づく「出向者」でもなることができます。
「経営業務の管理責任者」についてはとりあえずここまでとします。
いわゆる「ロ 該当」の執行役員等の経験や経営補佐経験で経営業務の管理責任者になる場合は、証明する書類を用意するのが難しいため、難易度があがります。
次回からは資格、実務経験等を有する技術者(「専任技術者」)について解説していこうと思います。