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建設業者の決算変更届(決算報告)③ ~決算変更届を忘れてしまった場合

2017.12.03更新

建設業者の決算変更届(決算報告)③

この記事を読んでわかること

  • 1. 決算変更届が忘れられやすい理由
  • 2. 決算変更届のスケジュール感
  • 3. 決算変更届を忘れてしまった場合はどうなるか

「決算変更届」は忘れられやすい…

建設業許可を取得している、いわゆる建設業者は役員や経営業務の管理責任者、専任技術者などに変更が無かったとしても、毎年管轄行政庁に対して「決算変更届」と言われる届出をする必要があります。

事業会社の場合、原則として毎年決算日から2ヶ月以内に管轄税務署等に対して税務申告と納税をしていると思います。

建設業者の場合は、税務申告に加えて、許可権者である管轄行政庁に対して、建設業用の様式で財務諸表や工事経歴書等を作成し、毎年事業年度終了後4ヶ月以内に届出しなければなりません。

事業会社の担当者は、税務申告と納税まで済ませると一安心してしまって、建設業の決算変更届は忘れがちになってしまいます。

「決算変更届」という名称から、別に変更は生じてないし…

とそもそも届出の必要が無いと誤解してしまっているようなケースもあるでしょう。

また、仮に工事実績が無かったとしても、決算変更届は必要です。
実績無し=提出不要と考えてしまう担当者もいらっしゃいます。

行政書士が決算変更届を「決算報告」と言ったり、決算変更届を略して「決変(けつへん)」と言ったりもするので、税務申告等と混同してしまったり、そもそもどのような手続きか理解されないまま忘れられてしまったりするのかもしれません。

決算変更届のスケジュール感

決算変更届は、毎年、事業年度終了後4ヶ月以内に届出することとなっています。

例えば3月31日が決算日(以下「3月決算」といいます。)の会社では、7月末日までに届出しなければなりません。

基本的に3月決算の会社は5月下旬には定時株主総会が開催されて、5月末日までには税務申告と納税まで完了していると思われます。従って、一般的には6月上旬から決算変更届に着手して、7月末日までに届出を完了させるスケジュール感になります。

例外的に、申告期限延長の特例を申請されている会社があります。

会社法上、株主総会は決算日から3ヶ月以内に開催すればよいと解釈されているため、定款では多くの会社が「当会社の定時株主総会は、毎事業年度の終了後3か月以内に招集し…」と定めていると思われます。
このように定款で「事業年度の終了後3か月以内に」と定められていれば、申告期限延長の申請をすることにより、申告期限を1ヶ月延長することができます(納税期限は延長できません)。

従って、3月決算の会社であっても、6月下旬に株主総会を開催し、6月末日までに申告する会社もあるということになります。
その場合は、7月上旬から決算変更届に着手して、7月末までに届出を完了させることになります。

申告期限延長の特例を申請されている会社の場合は、少しスケジュールがタイトになりますので注意しましょう。

決算変更届を忘れるとどうなるの?

  • 決算変更届を忘れてしまった。
  • 一生懸命準備したものの届出期限を過ぎてしまった。
  • 面倒だから届出しなかった。

いろいろ事情はあると思いますが、結果的に届出期限内に届出が完了しなかった場合、どのような取り扱いになるのでしょうか。

まず、建設業法50条に罰則規定があります。

  • 「六月以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。」
  • 「情状により、懲役及び罰金を併科することができる。」

焦った方、結構いらっしゃるのではないでしょうか?

とはいえ、実際に決算変更届の未提出のみでこの罰則規定が適用されたケースはほとんどないと思います。

でも安心するのは早いです。
決算変更届の未提出が招く影響は他にもあるからです。

①決算変更届が未提出であると、更新申請が受付されません。

稀に⁉︎あるパターンが、更新申請の依頼を行政書士にした時に、前回の新規申請または更新申請から一度も決算変更届をしていなかったケースです。
このケースでは、未提出の決算変更届を全て完了されない限りは、残念ながら更新申請は受付されません。

最大で5年分の決算変更届を提出しないと更新申請が受付されないということになります。
決算変更届には、毎年工事経歴書を作成して添付する必要があります。
毎年の決算変更届を怠っていた会社が、5年前の工事実績などをすぐに出せますでしょうか?

仮に更新申請期限の直前に行政書士が依頼を受けて、このような事実が発覚したとしたら、更新申請が間に合わず、許可そのものを失うリスクも考えられます。

このような事態に陥ることが無いように、毎年の決算変更届はきちんと提出しましょう!

②業種追加申請も受付されません。

建設業もビジネスです。
許可業種を増やすことによって、ビジネスが拡大することもあるでしょう。

許可業種を増やすためには、業種追加申請という手続きが必要です。
もし決算変更届が未提出であると、業種追加申請も受付しない行政庁がほとんどと思われます。

業種追加をしようとして、専任技術者を確保しても決算変更届が未提出であるために業種追加申請が遅れると、せっかくのビジネスチャンスを逃してしまうかもしれません。

複数年分の決算変更届を準備するのは、結果的に毎年度提出する以上の労力と時間、場合によってはお金(行政書士への報酬等)がかかってしまうことが多いです。

複数年分まとめて提出することには何のメリットもありません。
しっかり毎年決算変更届を提出していきましょう!