専任技術者について~1~【専任技術者とは?】
2017.04.26更新
今回からは、建設業許可取得の要件の一つである【専任技術者】について解説します。
専任技術者とは?
その営業所に常勤して、請負契約の適切な締結やその履行の確保のための業務に従事することを要する者で、「専任技術者」としての資格を有することを証明した者をいいます。
わかりやすくいえば、建設業に関して専門的な知識や経験を持つ人のことです。建設業の許可をとろうとしている会社等に建物を建てる技術者がいなかったら話になりませんよね。
ですから建設業法に基づいて建設業を営む場合、営業所ごとに専任の技術者を置く必要があります。
専任技術者がいなければ建設業許可を取得することは不可能で、もし許可取得後に専任技術者がいなくなれば、代わりの方を補充しない限り許可を維持することができません。
専任技術者は建設業許可を取得、維持するためには必ず必要です。
「専任技術者の専任」とは?
「専任」とは、営業所に常勤で勤務し、その営業所の技術者として職務に従事することを指します。
ですから以下のような人は「専任技術者」には該当しません。
・現住所と営業所とが著しく遠距離にあり、一般的に考えて毎日通勤することができない。
・パートやアルバイト、契約社員など有期で雇用契約を結んでいる。(週40時間勤務が一つの目安となっているようです。)
・他の会社で常勤の役員や従業員となっている。
・他の会社の専任技術者や主任技術者、監理技術者となっている。
・他の会社の管理建築士や宅地建物取引主任者となっている。
・その方自身が個人事業主として事業を行っている。
・給与の額が最低賃金法に基づく地域別最低賃金を下回る者
※同一法人の同一営業所内であれば、専任技術者となる人が、管理建築士や宅地建物取引主任者を兼ねることは可能です。
※経営業務の管理責任者と専任技術者を同一の人が兼ねることは可能です。
※同一営業所内においては、複数の建設業種の専任技術者となることができますが、他の営業所の専任技術者を兼ねることはできません。
専任技術者になるには?
専任技術者は、建設業許可の種類や建設業の業種に応じて一定の資格や経験を持つ人がなることができます。 さらに、許可を受けようとする営業所ごとに専任として(常勤で)勤務されてることが必要です。
そして一般建設業か特定建設業かの許可の種類、建設業の業種に応じて異ってきます。
当然要件を満たしていることを証明するための資料を用意しないとなれません。 経営業務の管理責任者と同じく、専任技術者の要件もかなり複雑ですので複数回にわたってお伝えできればと思います。
ではまず建設業許可の種類別(一般建設業か特定建設業)の専任技術者の要件を見ていきましょう。
一般建設業における専任技術者の要件
以下の3つのうち、いずれか一つに該当する必要があります。
①資格がある
許可を受けようとする建設業種に応じて定められた国家資格等を有する者
②実務経験がある
許可を受けようとする建設業種について10年以上の実務経験を有する者
③学歴と実務経験がある
許可を受けようとする建設業種に応じて定められた学歴を有し、一定(3年以上もしくは5年以上)の実務経験を有する者
特定建設業における専任技術者の要件
特定建設業については、より高度な資格や経験が必要となり、要件がかなり厳しくなっています。
以下の2つのうち、どちらかに該当する人が必要です。
①資格がある
許可を受けようとする建設業種に応じて定められた国家資格等を有する者
②一般建設業における要件を満たし、かつ、指導監督的経験がある
一般建設業における専任技術者の要件(①~③のどれか)を満たし、かつ、許可を受けようとする建設業種において、元請として4500万円以上の工事を2年以上指導監督した経験を有する者
おおまかに説明するとこのようになります。次回からそれぞれの詳細について解説します。