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建設業者の組織再編(会社分割)

2018.01.02更新

建設業者の組織再編(会社分割)

建設業の許可は承継できない

許認可には、運送業の許可のように組織再編を想定しているものと、建設業の許可や宅建業の免許のように組織再編を想定していないものとがあります。

建設業許可には組織再編を想定した手続きが用意されていないので、無許可期間を作らないようにするためには、組織再編の効力発生前に建設業を承継しようとする会社(承継会社や存続会社)で予め許可を取得しておかなければなりません。

今回から次回にかけては、会社分割や合併を検討されている建設業を営んでいる事業会社向けに、建設業者の組織再編について書いていきたいと思います。

会社分割とは?

会社分割とは、会社がその事業に関して有する権利義務の全部または一部を他の会社に包括的に承継させる行為のことを言います。

会社分割には、大きく分けて、分割契約を締結し別会社に対して包括的に権利義務を承継させる「吸収分割」と、分割計画を作成し、新設する会社に対して包括的に権利義務を承継させる「新設分割」とがあります。

建設業者の組織再編に新設分割はオススメできません

建設業者が会社分割する場合には、結論からすると新設分割はオススメできません。

何故かと言うと、新設分割の場合は新設会社の設立日が分割の効力発生日となるからです。

それの何が問題なのか、、、。勘の良い方であればお気づきかもしれませんが、建設業許可は新設会社の登記簿謄本が取得できた後でしか申請することができません。従って、設立日に分割の効力は発生しますが、許可を取得できるまでは知事許可でも最短でおよそ1ヶ月かかりますので、許可がおりるまでは請負金額が500万円未満のいわゆる「軽微な工事」しか請け負うことができなくなってしまいます。

これが仮に大臣許可の申請であると、申請から約120日間は軽微な工事しか請け負うことができません。

建設業で収益をあげてなく、とりあえず建設業許可をもっていればよいという会社であれば特段問題ではないかも知れません。しかし、建設業で売上げのある会社がほとんどだと思います。

1ヶ月以上事業が停止してしまうとしたら、、、。組織再編を優先すべき特別な事情があるなら話は別ですが、許認可の観点からすると、この選択肢が賢明とは言えません。

吸収分割を選択するとどうなるか

吸収分割の場合は、先に承継会社を設立して、その後、分割契約に基づいて分割の効力が発生します。

従って、建設業の許可申請から許可がおりるまでにかかる時間を逆算して早めに承継会社を設立し、許可取得後に分割の効力を発生させれば、新設分割の場合に生じてしまう無許可期間を無くすことができます。

ただし、建設業の許可要件を分割会社と承継会社とでそれぞれ満たすことが必要なので、難易度が上がります。

具体的には?

具体的には、分割会社で引き続き許可要件を維持しつつ、承継会社でも建設業の許可要件(経営業務管理責任者、専任技術者、営業所要件など)をクリアしなければなりません。

先ずは経営業務管理責任者、専任技術者を確保しましょう。

その方法は、承継会社で直接選任(雇用)するか、もしくは分割会社から承継会社に出向や転籍をする方法などが考えられます。

とりわけ、経営業務管理責任者は承継会社の常勤取締役となるように、承継会社の設立前から綿密に計画を立てる必要があります。

そして、営業所要件をクリアしましょう。例えば、分割会社と同じ所在地に承継会社を設立した場合は、分割会社と承継会社とで、営業所を分ける必要があります。

営業所の分け方ですが、ワンフロアの営業所で「この辺りが分割会社のスペースで、その辺りが承継会社のスペースです」と言って認められるような簡単な話ではありません。

しかし、営業所の基本的な考え方については宅建業と同じ要件ですが、東京都においてはグループ会社と同居する場合に限り、若干ではありますが、建設業許可担当の方が柔軟に対応してくれます。事前に管轄行政庁や行政書士までご相談いただくことをおすすめします。

承継会社で建設業の許可要件を満たすことができなければ、会社分割のスケジュールを見直すことになるでしょう。